「考えさせる」勉強に取り組む
一言で「考えさせる」勉強と書きましたが、これは難しいことです。漢字を覚えたり、計算練習をするのは単純作業の繰り返しなので、時間をかければそこそこ仕上がります。
ですが、「考える勉強」というのは、大部分の子どもが苦手です。頭の中はまだ未熟で、論理的な思考ができるようにはなっていません。つまり、A、Bの2つの条件からCが導けるという思考方法は、まだできないと考えなければなりません。
考える勉強を家庭で進める方法
では、「考える勉強」をどうやって家庭で進めたら良いのでしょうか?まずは子どものやっている様子を観察してみましょう。
お子さんが宿題をやっているとき、どんな様子で取り組んでいますか?塾で習ったやり方がそのまま当てはまるときはスラスラできていますが、問題文の言い方が変わったり、もう少し複雑になると手が止まることが多いです。
算数のできない子、苦手な子は、このパターンに当てはまることが多いです。これは「考える勉強」ができていない証拠です。
算数の成績を上げる秘密
実は『算数の成績を上げる秘密』がここにあります。子どもの頭の中には、問題を解くためのいくつかのツールが入っています。整理されているかどうかはこの際関係ありません。
この問題だったらこのパターン、これだったらこっちのパターン、といった感じです。その頭の中にあるツールで問題を解きほぐしていける子が、算数のできる子になっていきます。
問題が解けるまでの過程
問題が解けるまでの過程は2段階になっています。1段目は、ツールそのものが使えること。このために、同じような問題をたくさん解きます。塾では、同じようなパターンの練習を繰り返すのは、ツールそのものを確実に使えるようにするためです。
2段目は、問題を読んで、使えるツールを頭の中から探していくことです。算数の苦手な子は、1段目で詰まっているか、2段目で詰まっているかで対処方法が変わります。
基礎練習と考える勉強
1段目で詰まっていたら、同じような基礎練習をしっかりやることが必要です。ここは「考えてやる」というレベルではなく、ひたすら練習です。「考える勉強」ができていない子は、2段目で詰まっているのです。
2段目で詰まっている子に対しては、問題を丁寧に読むことから始めましょう。1回読んだだけで意味が分からなくても、2回、3回と丁寧に読むことで、内容が頭に入ってきます。すると、その問題で使える適切なツールを見つけるかもしれません。
親ができるサポート
親ができるのは子どもが「考えること」を後押しすることです。
- 「問題をよく読んでごらん」
- 「図や表にしてごらん」
- 「自分で書いたものをよく見てごらん」
これらが適切なアドバイスになると、子どもはどんどん気づきを増やして力をつけていきます。適切なアドバイスのためには、あらかじめ問題や解説に目を通し、どこがポイントになっているかを掴んでおくことが大切です。
塾や個別指導、家庭教師の力のある先生は、問題の全体像が頭に入っているので、適切なアドバイスができ、子どもは力をつけていきます。
まとめ
考える勉強をうまくやれば、家庭で十分対処できます。高いお金を払って有名な個別指導の先生に見てもらわなくても、家庭教師の先生を雇わなくても、おそらく5年生ぐらいまでなら家庭で十分対応できるでしょう。
ただ、そのためには、お母さんやお父さんが教えるポイントや単元の全体像をある程度掴んでおくことが必要です。