子どもとバトっていませんか?

はじめに~中学受験とモチベーションの低下

中学受験を決めた当初の意欲

中学受験しよう、中学受験させよう、と決めて進学塾に入れた。
初めのうちは、子供も一生懸命宿題に取り組んでいた。

時間の経過とともにモチベーションが低下

ところが、時間がたつにつれ、だんだん子どものモチベーションが下がってきたように感じる。
子どもに対する小言が多くなる。注意ばかりしている。

親の小言と子どもの反応

例えば「早く宿題に取り掛かりなさい」とか「いつまでゲームしてるの?30分って約束したでしょ?」とか。
子どもはしぶしぶ机の前に座る。でも、ようやく机の前に座ったと思ったら、鉛筆を転がして遊んでいる。教科書すら出していない。
「いいかげんにしなさい!」と、お母さんの怒りが頂点に・・・



エスカレートする親子バトル:塾で聞く親子の実態

過激な事例紹介(物を壊す、家を追い出すなど)

長年塾で教えていると、子どもを通していろんな話が耳に入ってきます。
「お母さんにボコボコにされた」「DS、ぶち壊された~」「テレビの電気コード、はさみで切られた( ;∀;)」

ほんとにいろいろです。

中には「家を追い出された」という過激なものまで。(というか、ここに挙げたのはどれもけっこう過激ですよね・・・)

近隣住民から通報された例も

お母さんが塾に来て、「この前、警察を呼ばれてしまいました(^-^;」とおっしゃっていたのには驚きました。
家で子どもを怒鳴るお母さんの声が隣近所まで聞こえていて、「虐待では?」と、近所の人が心配して通報したそうです。
ま、このお母さん、明るくあっけらかんとしている方で、この話をしながら大笑いしていました。隣にいた息子君も苦笑い・・・

親が感情的になる主な原因

ここまでひどくなくても、多くのご家庭では、何らかの形でお母さんが切れていることが多いようで、ほとんどの原因は、子どもが勉強しないか、または勉強に向かう態度がなっていないということみたいです。

ですが、中には「成績が悪かった」という理由で、叱り倒すというケースもあります。
成績が出ていない原因が
・ふだんの勉強をちゃんとやっていない、
・宿題をいい加減にやっている、
というのなら、仕方ないか、と思います。

成績が悪かった時:頭ごなしに叱る前に

頑張ったのに結果が出ない場合

でも、そうじゃなくて、「頑張ったのに結果が出なかった」というとき(親の目から見て頑張っているように
見えなくても、 子どもは自分が頑張ったんだと思っていることもよくあります。)

親が取るべき最初の行動:共感と寄り添い

こんなときは、一方的に子どもを叱り倒すというのは、いい方法とは思えません。
結果が出なかったことに対して、まずは、一緒に落ち込んであげましょう。

原因分析と改善策を一緒に考える

その上で、
・何故結果が悪かったのか、
・どうすれば結果につながる勉強になっていくのか、

そのあたりを子どもと一緒に考えてあげましょう。

一方的な意見の押し付けの弊害

決して一方的な意見の押し付けはしてはいけません。
そのときは親の言うことをきいて素直な態度になっているかもしれないですが、そのあと、ことあるごとに
「親の顔色をうかがう」ようになる可能性があります。

親の顔色をうかがう子ども:嘘とカンニング

叱られないための行動~嘘や隠ぺい、カンニングのリスク

そうなってくると、「親に叱られない」ようにするために、行動に「ウソ」が混ざってくる。
宿題は終わったの?と訊かれ、「完璧に」できたノートを見せる(実は解答を写しただけのノート)、
テストの結果が悪かったら「隠す」、悪い点数が取れないので、カンニングに走る、などなど。

勉強の動機と成績の関係

ここまでひどくならなくても、勉強の動機が「親に叱られないため」だと、成績が伸び悩みます。
勉強というのは、「強いて」「勉める」と書きます。
「本来は気が進まないことを仕方なくする」というのがもともとの意味です。
ですが、この言葉の字義通り、無理に強いられて、気が進まないままやっても、大きく伸びません。

勉強を楽しむために:親ができるサポート

受験を楽しむことの重要性

受験は、「それ自体を楽しむ」ぐらいの気持ちで取り組んだ方が、結果上手くいきます。
勉強も同じ。楽しんでやるぐらいの気持ちで、子供が取り組めるように、親は環境を整え、子どもの気持ちに寄り添い、背中をそっと押してやる。

親の役割:環境整備、精神的サポート

算数だけではないですが、問題を解くことが楽しい、もっとやりたい、もっと知りたい、
この気持ちをしっかり持たせてあげましょう。

では、どうすれば少しでもこの状態に近づけるでしょう。

ゲーム感覚を取り入れる

例えば単純な計算問題でも
「さあ、時間を計るよ、〇分でできて、 間違い1つまでだったら合格、今晩のおかずのトンカツが一切れ増えます! よーい、どん!」
みたいに、ゲーム感覚でさせるというのも、一例ですが子どもが喜んでやってくれるでしょう。

子供をほめる

塾で習ってきた問題をもう一度させて、自分でできたら、大げさに褒める、とか。
お母さんやお父さんに時間が取れるのなら、上手に子どもの気持ちをコントロールしてあげられるでしょう。

それに、どんな形であれ、子どもは親に褒められると、自分が認められた気がして嬉しいものです。

両親ともに忙しくて、そういった時間がなかなか取れないという場合でも、できることはあるはずです。
留守中、子供が少しでもがんばっていたら、その頑張っていたことを褒める、子どもが寝ていたら、ノートに
頑張ったことを褒めるメモをはさんでおいたり。

大切なことは、子どもの頑張りを認めてやることです。その上で、
・欠けていること、
・やり方のまずい点、
など、普段お母さんが思っていることを改善する策を、子どもと一緒に考える。

家庭学習の重要性:親の学びも大切

家庭学習が成長につながる理由

勉強の基本は「家庭学習」にあります。
家庭でしっかり勉強できることが、この先何年もの成長につながります。

親が学ぶことのメリット

ところで、「楽しんで」解く、と書きましたが、例えば、算数のちょっと難しい問題を親子で競争して解く、とか、子どもがちょっと躓いているかもというとき、お母さんに算数の基礎知識、入試問題を解くためのベースみたいなものがあるのと無いのとでは、子どもにできるアドバイスが大きく変わってきます。

ですので、なかなか忙しくて時間が取れないだろうとは思いますが、お母さん用の参考書を一冊用意して、
それを勉強していくというのもいい方法だと思います。

親の学びが子どもに与える影響

それに、もし子供が、そんな頑張っているお母さんの様子を見たら、自分も負けていられない、とさらなる頑張りを見せてくれるかもしれません。

それに何より、中学受験は「家族一体」でやっていった方が楽しいに決まっています。
主役は子供でも、準主役は家族、お母さん、お父さんです。
ですので、お母さんも勉強する時間を少しだけでも取ってみてはいかがでしょう。

算数を楽しんでできるためには、その前提として「基礎体力」のようなものが不可欠です。
その「基礎体力」は、計算のような単純なもの(実は、けっこう奥が深いのですが)から、難問を解くためのベースになる考え方までたくさんあります。
こういったことを、子どもではなく、親が勉強してみるのもいいかもしれません。

親が積極的に関わることの意義~親子の対話を生む

家庭での教育、これを算数という観点からできれば、そこに親子の対話も生まれます。
受験勉強というのは、孤独で、味気ないものです。塾に行っても、周りはみんな競争相手、ライバル。
そういう意識を、塾では意識的にかどうかは別にして、植え付けていきます。
もちろん、みんな一緒に頑張る仲間ですが、最後は、自分自身との闘いなんです。

家族一体で受験を:準主役は親

受験は家族の共同作業

そうやって頑張る子どもたちの勉強に、お父さんやお母さんが積極的にかかわることができたら、
そして、子供たちを精神面でも、学習の面でもしっかりサポート出来たら、そうしていく中で、親子が対話しながら、受験に向かっていけたらこんな素晴らしいことはありません。(とボクは思います。)

主役は、あくまで子供たちです。ですが、受験の準主役は家族であり、お母さん、お父さんです

おわりに

こんなことも知りたい、こんなときはどうすればいい?などなど、みなさんが日ごろ疑問に思っていることや、もっと具体的に知りたいことがあれば、お気軽にこちらまでご連絡ください。

可能であれば、このブログを読んでくれている方々と共有し、それぞれの受験成功のために役立てたいと思います。
よろしくお願いしますm(__)m