子どもに教え過ぎていないですか?

子どもがリビングで塾の宿題をやっています。お母さんやお父さんは、その様子を見て、ため息をつきます。

「あぁ~、どうしてこの問題が解けないかなぁ。」そう思いながら、つい口出しをしてしまいます。「違う、違う。それじゃなくて、こっちの数字を書くの!」

見ていてイライラして、ついキツい調子で解き方に口を出す。「さっき教えただろ?これとこれを足すんだよ。」とか「鉛筆を貸してごらん、こう線を引くんだ。」とか。これ、受験生の子を持つパパやママの「あるある」ですね。

家庭での宿題サポートの現実

懇談でお家の状況や子どもが宿題をやっているときの様子を聞くと、「教えながらパパが切れています」とか、「イライラして教科書を投げつけてしまった」とか、どこのお家でもやっているようです。

子どもが塾に来て、「先生、きのう、ママにマジ切れされた!」と、あっけらかんと話す子がいたりします。何をしたのか聞くと、「宿題やってて、分からんからぼーっとしてた」とか…。

すみません、話が本題からずれてしまいました。

教え過ぎは厳禁

子どもが家で宿題をやっています。分からない問題が出てきて、なかなか先に進みません。みなさんだったら、どうしますか?

「とばして次の問題をやりなさい」とか、「ノートを空けておいて後で解説を見てやり直しなさい」とか、「塾に行ったとき、先生に質問しなさい」と言って次に進むように促すことが多いですよね。

でも、この後、みなさんはこんなふうに思うのではないでしょうか?「とばした問題はどうするの?」「後で解説を見ても、解説を丸写しするだけなんでは?」「先生に質問、するのかしら?」

いろいろ心配になってきますよね。要するに、「今のやり方を続けていって、本当に力がつくのかしら?」「こんなやり方で、目指している学校に合格できるのかしら?」ということです。

教え過ぎることの弊害

今やっていることは、今、できるようにさせておきたいものです。ここで積み残しをしていったら、どんどん算数で点数が取れなくなっていくんじゃないか?もっともです。

そこで、「一緒に考えようか」とか「お母さんが説明してあげる」と、子どもと一緒にやることを選ぶこともあります。みなさんも、子どもに質問されて教えたこと、ありますよね。

ですが、このとき気をつけないといけないこと、それが「教え過ぎてはいけない」ということです。教え過ぎてしまうと、子どもはどんどん教え手に頼ってきます。そして、勉強が受け身になってきます。つまり、自分の頭で考えなくなってきます。

考えさせるためのヒント

みなさんが子どもと一緒にやるときは、あくまで子供自身で考えられるように、それを促すための材料だけを与え、気付くためのヒントを与えることが大切です。

問題文のここ、もう一度しっかり読んでごらん。この一言で「あ、そうか!」となる場合もあれば、簡単な図や表をかいてやり、「ここに数字を入れていってごらん」と作業の方向をはっきり示してあげないといけない場合もあります。

中には、どこから手をつけたらいいかさっぱり分からない問題もあります。その場合でも、一気に最後まで解説するのは避けないといけません。段階を追って、ひとつずつ解きほぐしていくイメージでヒントを与えていきましょう。

問題の解き方をサポート

ひとつヒントを出すごとに、子どもの様子を見て、もっとヒントが必要なら次の段階のヒントをあげる。つねに、子どもに考えさせるという観点から見ていくことが何より大切です。

そして、答えまで行きついたら、できれば同じような問題をピックアップしてもう一度やらせること。これをやっておくと、そのときの気づきを脳に刻むことができます。そして、この積み重ねが「実力」になっていくのです。

理解して実行するための準備

ただし、このやり方にはいくつか問題点があります。

1つ目の問題点は、「とても時間がかかる」ということです。時間に追われている子どもにとって、負担が増えるかもしれません。しかし、一度こういったやり方でしっかり理解できたことは決して無駄にはなりません。

2つ目の問題点は、教える側であるみなさんの問題です。みなさんがその問題の解法をきちんと把握しておかなければなりません。できれば、その問題が含まれるテーマの概要やポイントも知っておいた方が、的確なアドバイスができます。

大人が考えたやり方は、往々にして「数学的な思考」に基づくものです。もしそうなら、子どもにそのやり方でさせるのは無理があることが多いでしょう。ですので、事前に解説に目を通し、解説のやり方をなぞることをお勧めします。

家庭でのサポートのコスト

そんな…塾の先生でもないのにそこまでするのは無理、ですよね。しかし、その部分を省略して子どもに教えようとすると、「無理」と「ムダ」が生じます。

かといって、詳しく分かっている先生にお願いすればたちまち月10万円。塾の先生の質問受けにもなかなか頼れない。となると、ある程度みなさんが家で処理できるようにしておいた方が良いのではないでしょうか?

まとめ

というわけで、家庭で教えるときは「教え過ぎに注意」しましょうというお話でした。今回も、お付き合いいただきありがとうございました。

その他の質問や疑問

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